ブックタイトル潮来町史
- ページ
- 938/1018
このページは 潮来町史 の電子ブックに掲載されている938ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 潮来町史 の電子ブックに掲載されている938ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
潮来町史
俗れている。以下その引用である。〔キツネと団子〕キツネがその世話んなったんだとよ。そしたら、三民日んなったらば、団子を持って来たんだとよ。ぼた餅十三ょ、ちゃVIんと。そしたら、それ団子屋調べたら、ほら夕ぺ来たちゅうわけなんだな。やっぱりお金を、ひつくらかしてばらつ葉持ってよ、買って、買って来たんですと。〔キツネの提灯〕夜、小便に起きんとほれ、河岸の方の人は見ぺなんっと戸を聞けんだとな。いやあきれえなんだとな。あの前の堤防の方の道さ、提灯が並んで、たいへんだっちけど、「夕べは狐の祝言があったんだ」って、言い言いしたんだけど、「パラの葉っぱ」を頭の上さ乗っけて通ると、それがきらきら光ってたいへんなんだって。〔キツネと舟〕家の前の人が、飛脚やってて。だから、「佐倉屋」の栄ちゃんがね。そんで夜桜咲く頃っち?フと、舟ぶん廻っちゃって、どっちがええだか、分かんなぐなっちゃったって。そして、キツネがほれ乗っちゃだっぺよな。そんで一晩中ほれぐるんと廻ってあっててよ、夜明けになってから帰って来たって、キツネに舟ば乗られて夜明けまで廻つであるったって。そういう時には煙車吸うといいだって。だけどあわてちゃって、初めは。馴れたから仕舞にはよ、「先ず一服つけぺ」と思って、煙草に火つけっと、離れるだと。そうすとなあ、分って見えてくんだと。それが見えなくなっちゃだって言うからね。舟さぶん廻しぶん廻し、家さ着かないといつくら漕いでも。〔キツネと成田山〕わたしの方のお祖母さんがよ、成田山詣りに行くのによ、926そしたらば途中に茶店があんだって。みんな昔の人は歩っこ、Aノt oJhAμノハサ山地そしたら白い髭のお爺さんが居てよ「お婆さんその連れは、って一言うだと。んな家からの連れけ」「んだねえだど、そこからくっ付いて来て、先きさ行ぎな、行ぎなって言っても、決して先になんねえだよ。後んなって、で、お斗別え先さ行ぎなちったって、俺ァ後でいいのって言うだ」って。そしたら、その茶屈さ、そしたらおっかねえから寄っただとよ。ば「あぶらげずし」ーーだなんか食べて「うまかねえ、うまかねえL-ってやってたのが、白い髭のお爺さんが、「お婆さん、その人ははじめっから、家の連れか」なんて聞くから「なあにくっ付いて来たの。いくら、先き行けたっそこから、て、行かねえですわ」ったら「ただぴとではありませんから、気いつけておいでなさい」って言っただと。そいで、そしたら、ずっといったらば、二本道になっちゃった。「お婆さん、そっち行ぐと追い剥ぎが出るよこっち行ぐだよ」ちうったら、「お斗則、そっち行ぎな、俺こっち行くから」言ったらほれな、木挽きが木挽いてつから、聞いたら、「こっちは成田街道だよ。そちには道は無えよ」それでお婆さんは安心したら、「これは、って。しようがねえ」と思ってキツネが離れたんだって。帰りにまたその茶屈さ行って、「昨日のあの白い髭のお爺さんはどこの人ですね」って、茶屈のおっかさんに聞いたら、「そんな人居ねえ」だから、「成田山でも現われたんだっって言うんだって。