ブックタイトル潮来町史
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潮来町史
発刊のことば昭和三十年に旧潮来町、津知村、延方村、大生原村の一町三村の合併によって新しく誕生した潮来町は、鹿島開発の構成都市の一画を担いながら先人たちの築いた伝統と水と緑の豊かな自然のなか、水郷の里として発展をしてきました。その合併から四十年、潮来を愛する多くの皆様から、特色ある郷土の歴史と伝統を形成してきたさまざまな要因を広く町民の皆様に知っていただき、それを後世に伝えたいと町史編さんを望む声が高まり、平成三年潮来町史編さん事業が発足。以来五ヵ年の歳月をかけて、このたび待望の『潮来町史』を発刊いたしました。江戸時代の著名な考証学者であり詩人であった郷土の先人、宮本茶村は、「名教を子孫に遣すに知かず」と郷党子弟の教育に尽力するとともに「常陸国郡郷考」をはじめ数多くの貴重な文献を遺しています。のょうに祖先のたどった足跡をしのび、正しい資料を後世の人々のために伝えていくことは、極めて意味深いものがあります。合併して飛躍的発展をとげた潮来町が、来る二十一世紀の新しい時代に向かってどのように歩むのかを考えるとき、古代からの歴史と文化、先人たちの英知と努力のなかに、本町の有るべき姿が現れ、新しい文化の創造の糧が見えるように思われます。後世に伝承される『潮来町史』の完成を期に、町民の皆様がこの潮来の歴史と伝統から未来の「ふるさと潮来」の創造に希望と意欲をもやしていただけるならば望外の喜びと存じます。